業界分析

コンサルティング業界の分類

2025年10月11日

コンサルティング業界には、多様なファームが存在し、それぞれ得意分野やカルチャー、求められる資質が異なります。ここでは主要なタイプを整理し、特徴と候補者がチェックすべきポイントを紹介します。

１．主なファームタイプと代表例

コンサルティングファームは、大きくいくつかのタイプに分類されます。戦略に特化するファームから、幅広いサービスを提供する総合系、特定業界に強みを持つブティック型まで、それぞれ特徴や働き方が異なります。ここでは主要なタイプと代表的なファームを整理し、自分に合うキャリア選択の参考になるようまとめました

近年ではタイプ別の分類を超えて各ファームが様々な領域の業務を横断的に実行するようになってきています（例：戦略系ファームのIT・デジタル領域への進出）。大まかな方向性を捉えつつ各ファームの動向については是非担当のキャリアアドバイザーとも相談ください

タイプ	代表的なファーム例	特徴
戦略系	マッキンゼー、BCG、ベインなど	経営戦略、新規事業、M&A など「上流」の領域に特化。経営陣との関わりが深い。
総合系	デロイト、PwC、KPMG、アクセンチュアなど	戦略から実行、IT／デジタル、業務改革、人事・組織まで幅広くカバー
業務改革／IT・デジタル系	フューチャー、NTTデータ、キャップジェミニなど	業務改善やシステム導入、DX推進など実装寄りの案件が多い
組織・人事系	マーサー、コーン・フェリー、ウィリス・タワーズワトソンなど	人材戦略、評価制度、組織設計、チェンジマネジメントを支援
FAS／財務・トランザクション系	PwCアドバイザリー、KPMG FAS、日本M&Aセンターなど	M&A助言、企業価値評価、事業再生など、財務領域に強みをもつ
シンクタンク／調査系	野村総研、三菱総研、日本総研など	政策研究や業界予測、市場調査を中心とする。民間と公的機関の両方のクライアントを担当
ブティック／領域特化型	ヘルスケア特化、サステナビリティ特化ファームなど	特定業界やテーマに特化し、専門性を深める

上記分類の通りコンサルティング業界は多様で特徴毎に分類はしましたが、ファームごとによっても得意分野・カルチャー・キャリアの伸ばし方が異なります。そのため「名前の知名度」だけで選ぶのではなく、自分自身の志向やキャリアゴールに照らして考えることが大切です。以下の視点を判断軸として検討するのが有効です。

専門性 vs 幅広さ
- 専門性重視：戦略系やブティック型ファームのように、経営戦略や特定業界に特化して深く携わりたい人向け
- 幅広さ重視： 総合系ファームのように、戦略から業務改革、デジタル実装まで幅広く経験したい人向け
上流工程への関与度
- 経営戦略や新規事業立案などの経営層による「意思決定フェーズ」に深く関わりたいのか、IT導入や業務改善など現場の「実行・実装フェーズ」に関わりたいのかを整理する
業界・テーマ志向
- ヘルスケア、金融、公共、製造など、特定業界への強い関心がある場合は、その分野に強いファームを選ぶ
- 多様な業界を横断して経験したい場合は、幅広いプロジェクトを持つ大手ファームが適する
働き方・カルチャー
- 成果主義・スピード感を重視する環境で成長を求めるのか
- チームワークや長期的な安定性を重視する文化が合っているのか
キャリアパス
- 将来的に専門家として尖るのか、マネジメントに進むのか、あるいは独立・起業を視野に入れるのか
- 各ファームが提供するキャリアの道筋（育成方針や出身者の進路）を確認することが重要

候補者が自分に合ったファームを選ぶ際には、単に「名前や知名度」だけでなく、プロジェクトの種類、面接スタイル、カルチャーとの相性を見極めることが重要です。私たちはこれらの情報を提供し、面接対策やキャリア相談を通じて最適な選択をサポートします

皆様からのご相談をお待ちしております