三菱総合研究所(以下、MRI)は、1970年5月8日に設立された日本を代表するシンクタンクの一つです。政策提言・調査研究から民間企業向けコンサルティング、ITサービスまでを手がけ、2025年9月期の連結売上高は1,214億円、グループ従業員数は4,695名にのぼります。
コンサル転職の文脈でMRIを検討するとき、先に押さえておきたい点が二つあります。ひとつは、連結売上の6割超をITサービスが占めており、いわゆる「コンサルティングファームとしてのMRI」は連結全体とは規模が異なること。もうひとつは、コンサルティング部門の売上の約7割が官公庁向けであり、戦略ファームやBig4とは顧客構成が根本的に違うことです。
この記事では、2026年9月時点で確認できる公式情報・開示資料をもとに、企業概要、実際に公開されている募集ポジションの内訳、年収と職位体系、選考プロセスと難易度、社内のキャリアパスまでを整理します。
三菱総合研究所(MRI)とは|シンクタンクとITサービスの二本柱
企業概要
項目 | 内容 |
|---|---|
正式名称 | 株式会社三菱総合研究所(Mitsubishi Research Institute, Inc./略称:MRI) |
上場市場 | 東京証券取引所 プライム市場(証券コード:3636) |
代表者 | 代表取締役 社長執行役員 籔田 健二(代表取締役 副社長執行役員 平井 康光) |
設立 | 1970年(昭和45年)5月8日 |
資本金 | 63億3,624万円 |
本社所在地 | 東京都千代田区永田町二丁目10番3号 |
従業員数 | 連結4,695名(2025年9月30日現在)。内訳はシンクタンク・コンサルティングサービス1,530名、ITサービス3,165名。提出会社(MRI単体)は1,217名 |
業績 | 連結売上高1,214億58百万円・営業利益80億10百万円(2025年9月期) |
決算期 | 9月 |
公式サイト | https://www.mri.co.jp/ |
グループ内での位置づけ|コンサル部門は売上470億円・従業員1,530名
MRIグループの事業は、シンクタンク・コンサルティングサービス(社内略称TTC)とITサービス(同ITS)の2セグメントに分かれています。2025年9月期のセグメント別売上高は次のとおりです。
セグメント | 売上高(2025年9月期) | 構成比 |
|---|---|---|
シンクタンク・コンサルティングサービス | 470億90百万円 | 38.8% |
ITサービス | 743億67百万円 | 61.2% |
ITサービスの中核は、議決権80.0%を保有する連結子会社の三菱総研DCSです。金融機関向けシステムの設計・開発・運用や、自社データセンターを核としたシステムアウトソーシングを担っています。このほか有価証券報告書には、持分法適用関連会社としてアイネス(19.5%)、日本ビジネスシステムズ(15.2%)、日本ケアコミュニケーションズ(33.3%)が記載されています(いずれもセグメント区分はシンクタンク・コンサルティングサービス)。
つまり、コンサルタントとしてMRIに転職する場合に所属するのはTTC側であり、その規模は売上約470億円・従業員1,530名です。連結の1,214億円・4,695名という数字とは対象が違うため、他ファームと規模を比べるときは混同しないようにしてください。シンクタンク系がコンサルティング業界全体のどこに位置するのかを整理しておくと、この違いが理解しやすくなります。関連記事「コンサルティング業界の分類」で、戦略系・総合系・シンクタンク系・IT系の役割の違いを解説しています。
案件・カルチャーの特徴|官公庁が約7割の顧客構成
案件の特徴|TTCセグメント売上の69.2%が官公庁向け
MRIのコンサルティング部門を特徴づけているのが顧客構成です。2025年9月期のTTCセグメントの顧客業種別売上高は、官公庁326億3百万円、金融・カード29億36百万円、一般産業115億51百万円でした。セグメント売上470億90百万円に対し、官公庁向けは69.2%と約7割を占める計算になります(比率は公表値ではなく、決算説明資料に公表された金額からの算出)。
この構成は、民間企業の経営課題を起点とする戦略ファームやBig4とは案件の性格が大きく異なることを意味します。国の政策立案に必要な調査研究、制度設計の支援、社会インフラや地域政策に関する検討など、成果物が公的な意思決定に接続する案件が中心になります。案件の期間や進め方も、年度単位の公募・委託というリズムに影響を受けます。
2026年9月期第2四半期(累計)では官公庁向けが250億67百万円(前年同期比+18.0%)、金融・カードが17億90百万円(+41.2%)、一般産業が67億4百万円(+4.6%)と、官公庁向けの伸びが続いています。一方で民間領域の強化も進んでおり、2026年3月2日には民間企業向けの新サービスとして「AIファースト支援コンサルティング」の提供開始が公式に発表されています。
ただし官民の比率も扱うテーマも部門ごとに異なり、2026年7月29日には組織変更および役員人事も公表されています。どの本部がどういう経歴の人を採っているかについては、転職エージェントにご相談ください。
官公庁向けコンサルティングは、案件の取り方も評価のされ方も民間向けとは異なります。関連記事「公共コンサルとは?仕事内容・年収・主要ファーム・未経験転職を実データで解説」で、公共領域の案件の進み方と主要プレイヤーを整理しているので、MRIの案件像を業界全体の中に置いて捉えられます。
募集ポジションから読む事業領域(2026年9月時点・57ポジション)
MRIのキャリア採用は、公式採用ページからリンクされた採用管理システム上で職種別に公開されています。2026年9月時点で公開されているキャリア採用の求人は57ポジション(このほか障がい者採用1ポジション)で、募集職種別の内訳は次のとおりです。
募集職種カテゴリ | ポジション数 |
|---|---|
コンサルタント(公共) | 21 |
コンサルタント(経営・DX) | 9 |
コンサルタント(金融・AI) | 6 |
コンサルタント(エネルギー・サステナビリティ) | 6 |
コンサルタント(ヘルスケア) | 4 |
コーポレート・スタッフ | 4 |
事業企画・管理 | 3 |
研究・提言 | 2 |
営業企画・管理 | 1 |
オープンポジション | 1 |
合計 | 57 |
公共領域が21ポジションと最も多く、全体の4割弱を占めます。売上構成(官公庁約7割)と採用の重心が同じ方向を向いていることが確認できます。
各求人に紐づく本部は、公共DX本部、医療・介護DX本部、創薬・健康エコシステム本部、GX本部、電力・エネルギー本部、金融BAコンサルティング本部、AIコンサルティング本部、安全保障政策本部、フロンティア政策本部、モビリティ・通信政策本部、防災・レジリエンス政策本部、インフラ・都市政策本部、ビジネスコンサルティング本部、組織・人材戦略本部、産業DX本部、新事業開発センターなどです。テーマは医療・介護政策、サーキュラーエコノミー、GX・脱炭素、電力システム、防衛ロジスティクス、サイバーセキュリティ政策、半導体、量子技術、宇宙・海洋・経済安全保障、観光政策、労働・教育政策、経営・事業戦略まで広がっています。
勤務地はいずれも東京(東京都千代田区永田町二丁目10番3号)で、地方拠点を前提としたポジションはありません。なお求人の構成は随時入れ替わります。
働き方とカルチャー|裁量労働制と「場所を選ばない働き方」
キャリア採用の募集要項に記載されている勤務形態は「裁量労働制もしくはフレックスタイム制」です。休日休暇は週休2日制(土・日)、祝日、年末年始、夏季連続休暇、創業記念日(9/1)、有給休暇(初年度10日)ほか。賞与は年2回(6月/12月)、給与は「経験・年齢・能力などを考慮の上、当社基準により決定」と記載されています。
参考までに、新卒採用の募集要項では勤務時間が「原則9:00〜17:15(休憩60分、標準勤務時間7時間15分)」と明示され、入社時はフレックスタイム制(コアタイム10:30〜15:30)、その後に裁量労働制が適用されると説明されています。キャリア採用の募集要項に勤務時間の記載はないため、この時間帯はあくまで新卒側の記載である点に注意してください。
働く場所については、採用サイトの「場所を選ばない働き方」で、社員が自宅やサテライトオフィスなど働く場所を自由に決められること、一定のルールを満たした場合には地方移住も選択できることが明記されています。本社オフィスはフリーアドレス化され、会議はリアルとリモートのハイブリッドが前提です。制度面ではリモートワーク、キャリアデザイン休職(勤続3年以上)、スキルアップ休暇、再雇用制度(勤続3年以上)などが公表されています。
キャリア形成の仕組みとしては、社内公募(公募により新たな部署・プロジェクト・職務にチャレンジする機会)、兼職(キャリア形成に資する兼職を事前申請により承認。入社1年未満の社員等を除く)、未来共創時間(年間100時間を上限に社内の自主研究・勉強会などに勤務時間を活用できる制度)が並びます。募集要項側にはローテーション・プログラム制度と社内FA制度も挙げられています。2026年5月には、キャリアの言語化と1on1の質向上を目的とした自社開発の生成AIツール「MiraTalk」が全社員に導入されました。
人材育成の中核は2024年4月に開講した「MRIアカデミー」で、キャリア入社者には導入研修5日+フォロー研修1日が設定されています。導入研修ではMRIの沿革・事業組織概要・プロジェクト概論・問題発見/問題解決思考・ドキュメンテーションなどを扱い、フォロー研修では個別面談や先輩キャリア社員との座談会が組まれています。人員構成では研究員数986名、年間プロジェクト件数約1,400件が公表されており、IR資料では研究員の4分の3が自然科学系、75%が修士以上という記載があります。理系大学院出身者の比率が高い、研究機関に近い人材構成です。
2025年10月には人事制度の改定が実施され、年功的要素の撤廃、複線型のキャリアパスを可能とする「連峰制」の進化、月例給比率を高めることによる収入の安定化、定年後再雇用者の処遇改善が行われました。平均勤続年数11年8か月(MRI単体、2025年9月30日現在)という数字は、コンサルティングファームとしてはかなり長い部類です。
同じシンクタンク系でも、民間比率や案件の進め方には差があります。関連記事「野村総合研究所への転職|選考プロセス・年収・キャリアパス」と読み比べると、コンサルティングとITソリューションの組み合わせ方の違いが見えてきます。
三菱総合研究所の年収・職位体系
平均年間給与は約1,082万円(有価証券報告書)
有価証券報告書 第56期(2025年9月期)に記載された平均年間給与は10,817,256円です。対象は提出会社であるMRI単体の従業員1,217名、平均年齢40.4歳、平均勤続年数11年8か月(いずれも2025年9月30日現在)。三菱総研DCSなどの子会社社員は含まれていません。各所で引用される「MRIの平均年収1,082万円」は、この数値です。
公式に金額が開示されているもうひとつの数値が、新卒採用の初任給です。2027年度新卒採用の募集要項では、博士了38万8,400円、修士了34万900円、学部卒31万8,200円と記載されています(昇給年1回・4月、賞与年2回)。中途入社時の水準を直接示すものではありませんが、社内の給与テーブルの起点を知る手がかりにはなります。
役割等級制度|6段階のクラスとミッショングレード
MRIは2025年10月に新しい人事制度を導入したことを採用サイトで公表しています。年次等ではなく担う仕事の内容や責任の大きさ・難易度等に応じた役割等級制度(同社の表現では「いわゆるジョブ型の考え方」)を適用し、等級は6段階のクラスに分かれています。一定等級以上には、役割の重要性やミッション、難易度等に応じてMG(ミッショングレード)が設定されます。一定等級までは、担当する役割への取り組み方と成果を評価し、標準評価以上であれば安定的に昇給する仕組みとされています。評価は会計期初に設定した個人目標に対する達成度で決まり、賞与には個人の達成度と会社業績が反映されます。
公式サイトの社員紹介で使われている「主任研究員」「主席研究員」といった職位名は、この6段階のクラスとは別の呼称です。両者の対応関係は公表されていません。
中途入社時の想定エントリー職位|メンバークラスとプロジェクトリーダークラス
MRIのキャリア採用は、ポジションごとに応募資格が異なる形式をとっています。採用サイトのFAQには「ポジションごとに求めるスキルが異なります。ご関心のあるポジションの応募資格をご確認ください」と明記されており、全社共通の経験年数要件は設けられていません。
ただし、実際の求人票を見ると、多くのコンサルタント職で応募資格が「メンバークラス」と「プロジェクトリーダークラス」の2段階に書き分けられています。例えばヘルスケア領域の求人では、メンバークラスが「コンサルティングファーム等における当該領域の実務経験」または「事業会社・研究機関等におけるデータ分析・政策調査・社会実装に関する実務経験」、プロジェクトリーダークラスが「上記の経験に加え、チームや組織のマネジメント経験」とされています。マネジメント経験の有無が、エントリー職位を分ける境目です。
募集職種を指定した応募のほか、オープンポジションでの応募も受け付けています。
中途入社時の提示水準については、転職エージェントにご相談ください。
コンサルティング業界全体のなかでMRIの水準がどのあたりに位置するのかを確かめたい場合は、関連記事「コンサルタントの年収リアル」に、ファーム区分別・職位別の相場観を整理してあります。
三菱総合研究所の選考プロセスと転職難易度
選考フロー全体像
MRIのキャリア採用情報サイト「採用フロー」には、選考の流れが次のように記載されています。
ステップ | 内容 |
|---|---|
応募(Webエントリー) | 募集職種画面から希望の職種を選んで応募。複数ポジションを検討する場合は職種ごとに応募 |
書類選考など | 書類選考を通過した方にのみ適性検査を案内 |
面接(複数回) | 都合に応じて日程を調整(概ね9時〜19時の間)。最終面接は原則対面実施 |
内定 | ― |
同ページの募集要項では、選考方法が「書類選考、筆記試験、面接」と表記され、「書類選考に合格された方に、面接および筆記試験を実施し、内定へと進みます」と補足されています。採用サイトの「よくあるご質問」にも同趣旨の記載があります。後述しますが、実際には書類選考後に、独自の論文試験が課されるケースもあり、候補者の適性や応募ポジションによって採用プロセスはまちまちです。詳細の選考プロセスについては転職エージェントにご相談ください。
なお募集要項には「全社的な観点で選考しておりますので、ご応募職種以外のポジションで選考にお進みいただく可能性もございます」との記載がありますが、応募した職種以外での選考が行われるケースも実際にあります。
適性検査・面接の特徴
MRIでは全ポジションで一律に適性検査が課されるわけではありません。VOLVEが把握している選考実績では、ポジションによっては適性検査ではなく論文試験が実施されます。論文試験が課される場合、対策の中身は適性検査とはまったく別物になり、限られた時間で論点を立てて書き切る訓練が必要です。
応募予定のポジションで適性検査と論文試験のどちらが課されるかについては、転職エージェントにご相談ください。
面接の形式はケース面接ではありません。その場でお題を出して解かせる戦略ファーム型ではなく、過去の職務経験を掘り下げるビヘイビア面接(行動面接)が中心です。何に取り組み、どこで判断に迷い、どう動いて何を出したかを、専門領域の文脈で具体的に語れるかが問われます。戦略ファームと併願している場合、ケース対策に充てた時間はそのままでは効きません。関連記事「ビヘイビア面接(行動面接)の完全対策」に、過去の経験を整理して語る型をまとめています。
転職難易度|高いが、領域によって門の広さが違う
MRIの転職難易度は高い部類に入ります。研究員の75%が修士以上という人材構成で、公開されている求人もすべて領域と応募資格が具体的に指定されており、「コンサルに行きたいから受ける」という当て方が通用しません。特定分野の実務・研究の蓄積がそのまま評価対象になります。
一方で、中途採用には積極的です。単体従業員数は第52期(2021年9月)1,021名から第56期(2025年9月)1,217名へと4年で約200名増え、IR資料では約500名超の増員計画にも言及されています。2026年9月時点でも57ポジションが公開されており、そのうち21が公共領域です。中途採用比率は2023年度57%、2024年度46%、2025年度39%と下がっていますが、この比率は新卒採用の規模にも左右されるため、中途の枠が絞られたことを意味するものではありません。
つまり難易度を決めるのは、地頭や一般的なコンサル適性ではなく、自分の専門性とMRIの募集テーマがどれだけ重なるかです。同じ経歴でも、募集が出ている領域なら通り、出ていない領域なら書類で終わります。「全体として狭き門」ではなく「領域ごとに門の広さが違う」と捉えたほうが、応募先の選び方を誤りません。
三菱総合研究所のキャリアパス
社内でのキャリアパターン
MRIは採用サイトで、社内のキャリアの代表例を7類型として公開しています。プロジェクト系(公共・政策分野)、プロジェクト系(企業経営分野)、プロジェクト系(DX分野)、プロジェクト系(DX分野・マネジメント)、事業創造系、スペシャルティ系、オペレーション系の7つです。キャリア形成の基本的な仕組みとしては「MRI版FLAPサイクル」(Find/Learn/Act/Perform)が導入され、1on1とタレントマネジメントシステムのデータを組み合わせて運用されています。
加えて、社内FA制度、ローテーション・プログラム制度、社内公募と、社内でキャリアを組み替える仕組みが揃っています。平均勤続年数は11年8か月(MRI単体、2025年9月30日現在)で、コンサルティングファームとしては長い部類です。
コンサル・シンクタンク出身者の出口が在籍年数や志向によってどう変わるかは、関連記事「ポストコンサルのキャリアパス|出身ファーム×タイミング×志向性で選ぶ「自分の最適解」」に整理してあります。
【Q&A】三菱総合研究所への転職に関するよくある質問
Q1. 戦略ファームやBig4と何が違いますか。
最大の違いは顧客構成です。MRIのコンサルティング部門は2025年9月期のセグメント売上470億90百万円のうち官公庁向けが326億3百万円と約7割を占めます。民間企業の経営課題を起点とする戦略ファーム・Big4に対し、MRIは政策立案や制度設計に接続する調査研究が中心です。もう一点、グループ連結では売上の61.2%をITサービスが占めており、コンサルティング部門は連結全体の一部である点も構造上の違いになります。
Q2. 未経験(コンサル・シンクタンク業界外)からでも転職できますか。
採用サイトのFAQでは「ポジションごとに求めるスキルが異なる」とされており、全社共通の業界経験要件は設けられていません。実際の求人票でも、必須要件に「事業会社・研究機関等における実務経験」「官公庁・行政機関における実務経験」が並ぶポジションが多数あります。研究員の75%が修士以上という構成を踏まえると、業界経験そのものより、専門領域における研究・分析の実績が評価軸になると考えられます。どのポジションであれば自分の経歴が評価されるかは、エージェントにご相談ください。
Q3. 転職すると年収は下がりますか。
有価証券報告書の平均年間給与約1,082万円は、平均年齢40.4歳・平均勤続11年8か月の集団の平均値であり、中途入社時点の提示額とは別物です。現年収帯と応募ポジションの組み合わせ次第で上下します。中途採用の給与レンジは公開されていないため、公開情報から自分の見込み額を逆算することはできません。志望本部と経歴を伝えたうえで、実際のオファー事例を持つエージェントに水準を照会するのが現実的な確認方法です。
Q4. 激務ですか。働き方の実態はどうですか。
残業時間の実績値は公式には開示されていません。公式に確認できるのは、裁量労働制またはフレックスタイム制、リモートワーク、自宅やサテライトオフィスなど働く場所を自由に決められる「場所を選ばない働き方」、条件を満たした場合の地方移住の選択肢、キャリアデザイン休職といった制度面です。平均勤続年数が11年8か月と長い点は、定着の状況を示す数少ない客観指標といえます。ただし繁忙の度合いは本部とプロジェクトの性格で大きく変わります。志望領域の実態については、エージェントにご相談ください。
Q5. 英語力は必要ですか。
英語要件は全社一律ではなく、ポジションごとに設定されています。顧客の約7割が国内の官公庁であり、日常業務の中心は日本語です。ただし求人票を見ると、海外環境エネルギー事業展開、海外DXコンサルティング、サイバーセキュリティ政策、防災・レジリエンスなどのポジションでは「ビジネスレベルの英語力」が必須要件や歓迎要件に明記されています。志望領域でどの程度の英語力が求められるかは、エージェントにご相談ください。
Q6. 勤務地はどこですか。地方在住でも応募できますか。
2026年9月時点で公開されているキャリア採用のポジションは、いずれも勤務地が東京(東京都千代田区永田町)です。一方で採用サイトには、自宅やサテライトオフィスを含めて働く場所を自由に決められること、一定のルールを満たした場合には地方移住も選択できることが明記されています。また海外在住者についても、FAQでオンラインでの選考が可能とされています。
Q7. 2025年10月の人事制度改定で何が変わりましたか。
統合報告書「三菱総研グループレポート2025」には、年功的要素の撤廃、複線型のキャリアパスを可能とする「連峰制」の進化、月例給比率を高めることによる収入の安定化、定年後再雇用者の処遇改善が挙げられています。採用サイトでは、担う仕事の内容や責任の大きさに応じた役割等級制度(6段階のクラス、一定等級以上はミッショングレードを設定)に統一したと説明されています。ただし等級ごとの具体的な処遇テーブルは公開されていないため、改定後の実際の水準は公開情報からは分かりません。この点は選考の過程で確認すべき項目にあたるので、面接で聞きにくい場合はエージェントを介して照会するとよいでしょう。
まとめ
三菱総合研究所への転職を検討するうえで、押さえておきたい点を整理します。
- コンサルタントが所属するのはシンクタンク・コンサルティングサービス部門(2025年9月期 売上470億90百万円・従業員1,530名)。連結1,214億円・4,695名とは対象が異なる
- 同部門の売上の69.2%が官公庁向け。2026年9月時点で公開中のキャリア採用57ポジションのうち21が「コンサルタント(公共)」で、採用の重心も公共に寄っている
- 有価証券報告書の平均年間給与10,817,256円は、平均年齢40.4歳・平均勤続11年8か月のMRI単体1,217名の平均値。中途入社時のレンジは非公開
- 2025年10月に年功的要素を撤廃し、6段階のクラスからなる役割等級制度に統一。求人票上のエントリー区分は「メンバークラス/プロジェクトリーダークラス」で、マネジメント経験の有無が分かれ目
- 選考は「Webエントリー → 書類選考 → 適性検査 → 面接(複数回、最終は原則対面) → 内定」が公式記載。筆記の形式は非公開で、ポジションによっては適性検査ではなく論文試験が課される。面接はケース面接ではなくビヘイビア面接が中心。中途採用比率は2025年度39%(2023年度57%、2024年度46%)
官公庁案件を軸にした専門性は、他のコンサルティングファームでは積みにくい種類の資産です。一方で、部門ごとの案件構成や中途入社時の処遇といった、応募先を決めるうえで最も重要な情報は公開されていません。VOLVEでは、これまでのご経験とご関心のある研究領域を踏まえて、どの本部・どのポジションが接続しやすいかをお伝えしています。
参考文献・出典
- 株式会社三菱総合研究所「有価証券報告書 第56期」(2025年9月期)
- 株式会社三菱総合研究所「有価証券報告書 第52期」(2021年9月期)
- 株式会社三菱総合研究所「2025年9月期 決算説明資料」(2025年10月30日)
- 株式会社三菱総合研究所「2026年9月期 第2四半期決算説明資料」(2026年4月28日)
- 株式会社三菱総合研究所「セグメント情報」
- 株式会社三菱総合研究所「数字で見る三菱総研」
- 株式会社三菱総合研究所「三菱総研グループレポート2025」
- 株式会社三菱総合研究所「会社概要」
- 株式会社三菱総合研究所「キャリア採用情報」
- 株式会社三菱総合研究所「キャリア採用 募集職種一覧」
- 株式会社三菱総合研究所「新卒採用情報」
- 株式会社三菱総合研究所「採用に関するよくあるご質問」
- 株式会社三菱総合研究所「社員のキャリアを支える仕組み」
- 株式会社三菱総合研究所「MRIアカデミー」
- 株式会社三菱総合研究所「オフィス紹介」
- 株式会社三菱総合研究所「場所を選ばない働き方」
- 株式会社三菱総合研究所「企業の『AIファースト』への転換を包括的に支援」(2026年3月2日プレスリリース)
- 株式会社三菱総合研究所「生成AIによるキャリア形成支援ツールを全社員に導入」(2026年7月30日プレスリリース)
- 株式会社三菱総合研究所「組織変更および役員人事・人事異動について」(2026年7月29日)
※本記事は2026年9月時点で公開されている情報にもとづいて作成しています。年収など幅のある情報は、複数の公開情報・業界調査・経験者ヒアリングを総合した目安であり、応募ポジション・タイミング・個人の評価により変動します。
